生命の樹(カバラの樹)の対応図|ジェームス・フラッド
この図版は ‘A TABLE OF SEPHIROTHIC CORRESPONDENCES’ と言うタイトルで、ロバート・フラッド (Robert Fludd) が 『コレクティオ・オペルム』(Collectio Operum)という本に、ラテン語を英訳して掲載した図版を、Manly P. Hall が The Secret Teachings of All Ages に引用掲載した図版の孫引用です。
‘A TABLE OF SEPHIROTHIC CORRESPONDENCES’とは、(カバラの生命の樹の)セフィロトシステムとの対応表と言う意味です。ロバート・フラッドは1637に没しているので、図版は当然にパブリックドメインです。
Manly P. Hall の The Secret Teachings of All Ages は著者の没年は1990年で没後28年なので著作財産権は存続中ですが、その膨大なテキスト量の本が英語版ですと1冊で全ての内容が入っているにもかかわらず、Kindleで300円位で購入できます。日本語ですと人文書院の刊行で4冊分冊1冊4千円で入手できます。高価ですが、私が尊敬する大沼忠弘先生を始め、この分野では確かな見識をお持ちの方々が訳されていますので、内容的にも充実しています。
しかしながら、この邦訳を読むに当たって残念なのは、英原著ではインラインで、英音表記にはヘブライ語の原語が記されているのに、単純にラテン語、英語系のアルファベットに置き換えられていることです。そのために、Manly P. Hall が言っていることが、なんだかよく分からなくなってしまっている箇所も散見されます(ただし原著でも何を言ってるのか、現代的な思考回路では、よく分からないことも実際多い)。
とはいえ、Manly P. Hall の業績はその大変な稼働と出版の実績に比例しますが、実際の所「何を根拠にそう言っているのか?」という現代的な問いが発せられると検証不能となって「Manly P. Hall がそう言っている」としか言いようがありません。しかしながら、彼が言っていることが立証できるか出来ないかに、いちいちひっかっかっていては面白くありません。しかし逆に(2重否定になりますが)あまり闇雲に心酔するのは、ちょっと危険だとも思います。
そこで私の提案ですが、この元来、ヘブライ語とラテン語で記されていたはずの図像の英訳版を正面に置き、観て、理解できる言葉の範囲で、観想されてみたら如何でしょう。
神名、天使名、占星学のゾディアックなど面白い記述が、弧を描いて層をなし、密議的な円相のなかで回転し曼荼羅様の観想ツールに活用できます。ある程度、英語が読めて図版群の取得が目的であれば、Kindleで300円くらいで全編が購入できます。
元の文書が、ヘブライ語であった神名や天使名をラテン文字に変換したのか、英訳時に欧文字表記にした過程で、訳に無理を感じるものもありますが、読めない記号のようなヘブライ語を眺めているよりは、欧文字で読め、なんとなくでも意味が分かる方が良いでしょう。
私のカバラの樹(生命の樹)を読む講座では、無理に欧文字にされた神名や天使名などは、ヘブライ語に訳し直してから内容を検討して伝授しようと思っています。